国際図書館協力基金設立趣意書
国際図書館協力委員会(以下委員会)は、1998年に私立大学図書館協会に設置され、その事業計画に基づいて活動しております。委員会に先立って、1995年に委員会準備室が発足し、活動の中心を海外の日本研究図書館の支援に置くという基本的な枠組みが設けられました。具体的には、日本語資料の寄贈、日本語資料の相互貸借、日本研究に関する人的交流、会議・シンポジウム等の開催が事業の柱としてあがり、それらは会長校に提言され、総会において承認されました。
このような経緯により、現在、委員会は準備室で提言された事業の実施に向けて努力しております。事業のうち、日本語資料の寄贈につきましては、(株)カルチャー・ジャパンのご支援を賜わり、1995年から協会が寄贈資料搬送事業を行ってまいりました。これは、例えばある機関へ日本語資料を寄贈しようとしている加盟館があった場合に、その内容を会長校が審査し、問題がなければ支援金額の範囲内で搬送費用を(株)カルチャー・ジャパンが賄うというしくみです。その実績は2001年までの間に12カ国、延べ37機関(35大学)合計51,031冊に達しています。
しかしながらこの事業も、個々の大学間でのやり取りで完結してしまうこと、潜在的な需要と供給の情報が定常的に把握できないこと、年間予算額から恩恵を受ける大学が限られてしまうこと、などの問題点を含んでいました。いま一つ大きな問題点は、この事業が一企業によるメセナ活動への依存という形であるために、その永続性が保障されていないということです。
委員会では、寄贈資料搬送事業の継続を足がかりに、国際シンポジウムの開催や海外との人的交流に向けて、さらなる展開を計りたいと考えております。そのためには安定した運用資金の確保が必須の条件となります。一般企業と同様、私立大学を取り巻く経済状況には大変厳しいものがあり、現状では私立大学図書館協会の予算だけから事業資金を捻出することができません。私立大学図書館協会ならびに委員会は、一社とはいえ、長年のご支援がもたらした国際協力への貢献の大きさを深く認識すると同時に、これまで積み上げてきた寄贈資料搬送事業の実績を無駄にすることのないよう、また、国際協力事業を今後も積極的に推進できるよう、このたび基金の設立を決意いたしました。
国際図書館協力基金は、主に海外の日本研究機関への日本語資料の寄贈資料搬送事業ならびに国際図書館協力シンポジウムの開催等に充てる予定でおりますが、他の事業につきましても、ご支援いただいた企業等の皆様に報いるかたちで実施していきたいと考えております。
以上の趣旨をお汲み取りいただき、基金の設立になにとぞご賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
私立大学図書館協会会長校 中京大学図書館
私立大学図書館協会 国際図書館協力委員会