レファレンス研究分科会2016/2017年度活動報告

会員・研究テーマ

代表者 長谷川 敦史(早稲田大学)
基本研究テーマ 日本の大学図書館において,レファレンスサービスの提供方法はどのように変化しているのか
会員数 3名(4名で発足し、2017年5月に図書館外異動により1名退会)
会員 鈴木 学(日本女子大学)
根本 杏奈(立教大学)
長谷川 敦史(早稲田大学)
(伊藤 史織(大正大学)※図書館外異動により途中退会)

研究テーマについて

 日米の大学図書館では,レファレンスサービスの利用件数の推移は緩やかな減少傾向にある。また,カウンター業務委託の進展,学生アシスタントによる学習相談,電子メールやチャットなどのインターネット環境の利用など,レファレンスサービス受付・提供方法は多様化している。さらに,各大学においてラーニングコモンズの設置が進展し,レファレンスカウンター以外における人的サポートも急速に増加している。
 今期のレファレンス研究分科会では,これらの状況を鑑み,「レファレンスサービスの提供方法の変化」に着目し,これを研究の基本テーマに掲げた。


研究成果・刊行物

レファレンス研究分科会2016/2017年度アンケート調査結果はこちらをクリックしてご覧ください


2016年度(2016年4月から2017年3月)活動の概要

 前期(2014年度/2015年度)のメンバーに加え,新たに1名のメンバーを加えた4名で発足した。会員コミュニティの連絡等情報流通の基盤には「サイボウズLive」という知識共有ツールを使用した。また,ファイル共有については「BOX」というファイル共有ツールを使用した。7月までの月例会では,2014年度/2015年度レファレンス研究分科会の活動内容を確認し,そのうえで文献や統計数値によってレファレンスサービスの概念,理論,現状などの知識を共有した。
 夏期集中研究会ではこれらの結果を受け,「日本の大学図書館において,レファレンスサービスの提供方法はどのように変化しているのか」を把握するための質問紙調査を実施することを決定した。そのうえで,「研究分科会マニュアル 15 アンケート調査」を参照し,質問紙調査の実施方法を具体的に検討した。その後,ブレインストーミングによって質問項目を洗い出し,集約と検討した結果,質問の目的を以下の2つに絞り込んだ。
 ①レファレンスカウンター以外の相談デスクの設置について
 ②オンラインによるレファレンスサービスの提供について
 9月以降の月例会では,先行研究調査を行いながら質問紙の設計を行った。調査実施方法には「Googleフォーム」を利用することとし,設定した2つの質問の目的に沿って,質問項目を検討していった。2月に質問項目と質問紙案を確定させた。そのうえで,各自の知人を通じて予備調査を依頼し,10館の大学図書館から回答を得た。この結果を受けて質問紙を修正した。


2017年度(2017年4月から2018年3月)活動の概要

 予備調査に基づき、質問項目を修正し、5月18日~6月30日に日本国内の大学図書館1,070館に対して質問紙調査を実施した。6月~7月には回答の状況を見つつ、集計方法について検討した上で、数値について単純集計を行った。
 夏期集中研究会では単純集計結果とその他の結果を再度確認し、集計上の問題点と、考察が必要な部分について討議した。また、夏期集中研究会のうち1日において、慶應義塾大学文学部図書館・情報系の池谷のぞみ教授を招聘し、分析のアドバイスをいただいた。9月~11月には集計結果を集約し、グラフなどの図表作成を行った。12月にはこれまでの集計結果をまとめ、12月14日の研究分科会報告大会で発表した。1月~2月には未着手であった自由記述の確認を行い、傾向を分析した。3月にはこれらの結果をまとめ、ウェブサイトでの最終報告を行った。



月例会記録 2017年度(日付降順)

開催日 テーマ 会場
2018/3/14(水) ・アンケート調査最終報告書の確定
・報告書と調査結果のウェブ掲載について
・図書館見学(東京藝術大学附属図書館上野本館)
東京藝術大学附属図書館上野本館
2018/2/21(水) ・自由記述部分の分析結果まとめ
・図書館見学(アジア経済研究所図書館)
アジア経済研究所図書館
2018/1/24(水) ・報告大会質疑応答確認
・会報掲載原稿確認
早稲田大学中央図書館 会議室
2017/12/14(木) 研究分科会報告大会 慶應義塾大学三田キャンパス
北館ホール
2017/12/6(水) ・報告大会スライド確認
・施設見学(講談社 野間記念館)
文京区 肥後細川庭園松聲閣集会室
2017/11/16(水) ・調査結果の集計・図表作成と考察
・報告大会発表資料・スライド作成
・図書館見学(電気通信大学附属図書館)
電気通信大学附属図書館
UEC Ambient Intelligence Agora
2017/10/25(水) ・調査結果の集計・図表作成と考察
・報告大会発表資料作成
早稲田大学中央図書館
会議室
2017/9/28(木) ・夏期集中研究会報告書確認
・報告大会発表要旨の確定
・調査結果の集計と考察
立教大学池袋キャンパス
メーザー・ラーニング・コモンズ
8/23(火)
8/24(水)
8/25(木)
夏期集中研究会
・質問紙単純集計結果の確認
・今後の集計方針の検討(慶應義塾大学池谷のぞみ教授による指導)
・図書館見学(早稲田大学所沢図書館,慶應義塾大学三田メディアセンター)
①早稲田大学所沢図書館
②慶應義塾大学三田キャンパス
③日本女子大学目白キャンパス
2017/7/12(水) ・夏期集中研究会実施要領決定
・アンケート調査の回答確認、先行研究との比較、分析方法の検討
早稲田大学中央図書館
会議室
2017/6/15(水) ・夏期集中研究会の日程調整
・アンケート調査の回答確認、先行研究との比較、分析方法の検討
・施設見学(早稲田大学演劇博物館)
早稲田大学国際会議場
共同研究室2
2017/5/10(水) パブリック・サービス研究分科会と共同開催
・アンケート調査の印刷・発送見積り結果と、実施について
・図書館見学(都立多摩図書館)
都立多摩図書館
カフェスペース
2017/4/12(水) ・2017年度スケジュールの設定
・アンケート予備調査と質問紙の修正
・調査依頼文面の作成
・パブリック・サービス研究分科会との調査協力について
立教大学池袋キャンパス
メーザー・ラーニング・コモンズ

月例会記録 2016年度(日付降順)

開催日 テーマ 会場
2017/3/15(水) ・予備調査を受けた質問紙の修正
・本調査実施スケジュールの確定
・図書館見学(東京学芸大学附属図書館)
東京学芸大学附属図書館 グローバルコモンズ
2017/2/15(水) ・質問紙案の確定
・予備調査の検討
早稲田大学国際会議場 共同研究室2
  1月は会員の都合により休会  
2016/12/14(水) ・質問紙調査項目の検討
・図書館見学(大正大学附属図書館)
大正大学7号館2階
2016/11/16(水) ・質問紙調査項目の検討 早稲田大学国際会議場 共同研究室2
2016/11/11(金) 2016年度研究会(交流会) 明治大学中央図書館
多目的ホール
2016/10/25(水) ・質問紙調査項目の検討
・2016年度研究会における中間発表の内容確認
日本女子大学西生田キャンパス 九十年館A棟 第2会議室
2016/9/28(水) ・先行研究調査
・調査実施方法の検討
・質問紙調査項目の検討
立教大学池袋図書館 事務室
8/30(火)
8/31(水)
9/1(木)
夏期集中研究会
・文献精読:斎藤泰則『利用者志向のレファレンスサービス』(勉誠出版, 2009)
・研究課題の決定
・質問紙調査項目の検討
・図書館見学(日本女子大学図書館,立教大学新座図書館・新座保存書庫,早稲田大学中央図書館)
①日本女子大学目白キャンパス
②立教大学新座キャンパス
③早稲田大学早稲田キャンパス
2016/7/13(水) ・夏期集中研究会実施要領決定
・文献精読:斎藤泰則『利用者志向のレファレンスサービス』(勉誠出版, 2009)
早稲田大学中央図書館 会議室
2016/6/15(水) ・夏期集中研究会実施要領決定
・文献精読:斎藤泰則『利用者志向のレファレンスサービス』(勉誠出版, 2009)
文京福祉センター江戸川橋 地域活動室A
2016/5/26(木) ・前期(2014年度/2015年度)レファレンス研究分科会活動内容の確認
・文献抄読:①竹之内禎『情報サービス論』(学文社, 2013),②長澤雅男『レファレンスサービス』(丸善, 1995)
・統計の確認:①文部科学省『学術情報基盤実態調査』「参考調査」の推移,②国立国会図書館『日本の図書館におけるレファレンスサービスの課題と展望』(2013)
早稲田大学国際会議場 共同研究室1
2016/4/26(火) ・会員同士の顔合わせと役割分担
・会員コミュニティの基盤整備
・スケジュールの設定
アカデミー音羽(文京区生涯学習施設) 学習室A