小規模図書館の場合
学生数2,000人以下 (1,000人程度を想定)
a．テクノロジー支援
（１）PCスペース 必要度★★★★★
できる限り、快適に利用できるように、新しいPCが望ましい。ここでいう快適性は、すぐにインターネットにアクセスでき、ストレスのない利用が可能と定義する。また、附属の機器もプラグ＆プレイで、利用できるものする。できれば、用途別のアプリケーションが欲しいが、最低限MS Officeが入っていれば良い。
【提案設備】
デスクトップ：PCまたはMac20台
ノートPC：PCまたはMac5台（館内貸出用）
アプリケーション：MS Office
（２）キオスク端末 必要度★★★
できれば必要である。その理由は、キオスク端末があると、PCスペース混雑を少しでも解消できるからである。キオスク端末の用途はメールのチェック、授業のレジュメの印刷など10〜15分程度で利用が終わるものを想定している。また、必要な時にすぐ利用できるように、図書館の入口近くに設けることが望ましい。
【提案設備】
デスクトップ：PCまたはMac3台
b．利用者支援
（１）テクノロジーデスク 必要度★★★★★
スタッフの人数が少ないと思われるが、最低限必要である。事例のPine Manor Collegeも少人数でまかなっていた。もし、図書館側にITに詳しいものがいない場合は、情報系の学生アルバイトを雇用するか、時間を決めてITセンターから派遣してもらうのも一つの手段である。もちろん図書館業務とIT業務のどちらでも出来るスタッフがいれば心強い。ここで問題になるのは、理系や情報系の学生がいない大学であるが、情報系の科目はどこの大学でも開設されているし、学内外で公募する場合は、ITセンターの協力を得て人材を確保することも必要となる。また、情報系の専門以外の学部生の方が、自分の所属する学部学科、コースの学生のニーズがわかるというメリットもある。どちらにしろ、雇用の際に採用基準（情報系基礎科目等の履修の有無）を設け、雇用後にOJTで教育をしていく必要がある。
【提案設備】
テクノロジーデスク：1.5人（時間単位の応援配置を0.5人として換算）
（２）レファレンスデスク 必要度★★★★
レファレンスは簡単なものから難しいものまで程度が分かれる。図書館員 が常駐していることが理想。それが難しい場合は、学生スタッフを雇用・教 育して担当することも可能である。難しい質問には学生スタッフから専門の 図書館員につなげるようにすればよい。
【提案設備】
レファレンスデスク：1.5人（同じ部署内で兼務することを0.5人と換算）
（３）貸出、返却デスク 必要度★★★★★
テクノロジーデスクとレファレンスデスクと分割して設ける必要がある。なぜなら、同じにすると貸出・返却の利用者が多いときに情報技術やレファレンスの質問にまで対応できない可能性が高いからである。待ち時間が少ないことは利用者からの評価も高くなる。なお、小規模図書館の場合は学生スタッフで対応するのがよい。
【提案設備】
学生スタッフ：2人
（４）オンラインサポート 必要度★
チャット形式での対応は職員数から考えて難しい。従来どおり、メールや電話での対応が望ましい。
【提案設備】
オンラインサポート：1人（レファレンスデスクと兼務）
（５）ライティングデスク 必要度★★★★★
図書館外に設置している大学もあるが、できればキャンパス内で多くの利用者が長時間利用できる図書館内にあることが望ましい。また、レポートや論文の文章力が近年では就職前に求められる能力のひとつとなってきている。そのため、教員からの指導のみではなく、普段から相談でき、書いた文章についてアドバイスやフィードバックがもらえる機会を学生側も求めていると思い割れる。専任の職員の配置が難しければ、大学院生等の学生スタッフを雇用するとよい。またデスクはレファレンスデスクと統合する。
【提案設備】
ライティングデスク：レファレンスデスクと統合
図書館員1人（レファレンスデスクと兼務）もしくは学生スタッフ1人
（６）教員支援デスク 必要度★
デスクの設置は難しいので、図書館員と学内のFD担当の教員等と連携をして、レファレンスデスクで随時対応する。
c．共同作業環境
（１）グループ学習室 必要度★★★★★
学習課題の変化で需要が増している。ガラスの仕切で区切り、外に音が漏れるのを防ぐという工夫をしている。国内でも多数の大学で取り入れられており、ホワイトボードやモニターの備え付けは必須。
【提案設備】
小部屋：3部屋、部屋の大きさは4〜12人収容。可動式の机と椅子
中部屋：1室、部屋の大きさは、10〜20人収容。可動式の机と椅子
無線LAN
PCまたはMac 1部屋に1台、もしくはノートPCを貸し出すことで対応する。
机の大きさは最低でも資料を広げられる程度にする。
ホワイトボード
（２）オープンディスカッションスペース 必要度★★★★★
オープンスペースでは、家具は、いろいろなタイプを入れる必要がある。例えばソファの前に小さなデスクがある場合や、移動式の机や椅子、低いパーティションで区切られたスペースといった具合である。学生が長時間過ごしても大丈夫なように照明や間取りを含めた居住空間という視点での設計も重要となる。
【提案設備】
４〜6名で利用できるスペース：10〜20区画
d．教育支援
（１）電子教室 必要度★★★
ここは、正規の授業、スタッフの研修、情報リテラシーの講座、オリエンテーションといった行事等に使用される施設である。できれば、設置して欲しいが難しい場合は、オープンスペースのコーナーを区切って使うことも視野に入れるとよい。
【提案設備】
PCまたはMac：20〜30台
講師用PC：1台
プロジェクター1台
スクリーン
ホワイトボード
（２）教員支援センター 必要度★
LC内のスペースと人材の2点から設置は難しい。教員支援デスク（２−（６）参照）として部分的にサービスを行う。
（３）ライティングセンター 必要度★
LC内のスペースと人材の2点から設置は難しい。ライティングデスク（２?（５）参照）としてとして部分的にサービスを行う。
e．視聴覚スペース
（１）スタジオ 必要度★★
専用の部屋の設置はスペースの問題から難しい。視聴・編集スペースのグループ用の部屋を代用する。
（２）ホール 必要度★★
LC内の他の施設（電子教室、ラウンジ、ディスカッションスペースなど）を防音、間仕切りできるようにしておき代用する。
（３）視聴、編集スペース 必要度★★★
映像作品の視聴、語学の勉強や授業用のコンテンツの作成（取材してきた映像、インタビューの音声などの編集）に利用する。個人またはグループで作業することまで想定した環境が求められる。
【提案設備】
ブース（1〜3人）3区画とグループ（4〜6人）用の部屋1室
（４）プレゼンテーションスペース
必要度★★★★
ｇ.展示、イベント（１）プレゼンテーションスペース参照
f．滞在支援施設
（１）カフェ 必要度★
飲食スペースを設置してそちらを利用する。
（２）飲食スペース 必要度★★★★★
持ち込んだ飲み物、食べ物を飲食できるスペース。または、飲み物、軽食の自動販売機があることが理想的。人数にあわせて可動できる椅子や机が望ましい。
【提案設備】
自販機 1台
可動式椅子５〜10脚
机2台
（３）ラウンジ 必要度★★★
休憩目的なので、座り心地の良い椅子（ソファ）があればよい。なので、 ひとところに固める必要はないので、各階のオープンスペースに少しずつソ ファがあるという展開でも可能。リラックススペースは必要なので、例えば 一般雑誌コーナーなどに座りごごちの良いソファを置くことも選択肢のひと つである。
【提案設備】
ソファ ５脚
g．展示、イベント
（１）プレゼンテーションスペース 必要度★★★★
オープンな空間で、予約なく発表をしたい時に空いていれば利用できることが理想。授業もしくは学生のイベント、就職課のイベントなど幅広く利用ができる。円形で発表者を囲む、もしくは階段状のスペースが理想。公立はこだて未来大学の例が参考になる。スペースの確保が難しければラウンジやギャラリーと兼用でも可能。
【提案設備】
プレゼンテーションスペース：１区画
（ラウンジやギャラリーと兼用でも可）
（２）ギャラリー 必要度★★
プレゼンテーションスペース、ラウンジのスペース、壁面を利用する。
（３）ラウンジ 必要度★★★
休憩目的なので、座り心地の良い椅子（ソファ）があればよい。そのため、一カ所に固める必要はないので、各階のオープンスペースに少しずつソファがあるという展開でも可能。リラックススペースは必要なので、例えば一般雑誌コーナーなどに座りごごちの良いソファを置くことも選択肢のひとつである。LC内にスペースの確保が難しければ、プレゼンテーションスペースやギャラリーとの兼用でも構わない。
【提案設備】
ソファ ５脚
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